わたしの実践する「伝え方」の話

まふゆのシナプス観察日記, 仕事効率化

おはようございます。シナプスイノベーションの「まふゆさん」です。
『まふゆのシナプス観察日記』や『シャローシのお仕事』に登場する「まふゆさん」と同じ名前ですが、あちらは私をモデルにしたキャラクターとご理解ください。

 

普段は総務を担当しているのですが、時々広報などの書きものの仕事をいただきます。
先日、『J WALD誕生までの歴史』という文章を書きました。

 

これは私たちの自社製品「J WALD」を、どんなことができるか? ではなく、どんな人が作ったのか? どんな想いで作ったのか? という視点でご紹介したものです。

6000文字以上と、製品資料としてはボリュームのある記事です。
執筆中はひたすらうんうんうなり続けていたのですが、それでも常に楽しんでいました。
書くことが嫌いではないのだと思います。

 

これに限らず何かを書くとき、いつも「伝える」ということについて考えます。
そこで今回は勝手ながら『シナプス観察日記』をおやすみして、私の大切な仕事である、伝えることのお話をさせていただきます。

 

 

もし、言葉のみを用いた完璧なコミュニケーションというものがあるとすれば、それはたぶん、いっさいの甘えを許さない厳しいものだと思います。

 

相手は自分ではなく、伝えようとせずに伝わることはわずかにもないとわりきる。
あらゆる言葉の意味を確かに定義して、共有する。
「当然」「常識」に逃げ込まず、すべての論証を明らかにする。

 

ほんとうに完璧なあり方は、もっとおおらかで優しいものかもしれません。
ただ少なくとも未熟な私にとっては、一から十まで誠実であってはじめて、傷なく伝えることができる、それが限界です。

 

公的な場にいるかぎりは、この厳密で細やかなコミュニケーションを意識していなければなりません。

 

ただ現実には、私たちの時間にもエネルギーにも限りがあります。
常に満点を取り続けることはできません。

 

長く一緒に働いてきたチームなら、昨日までの出来事は全員が理解しているという前提で話をはじめないと、時間がいくらあっても足りません。
ふと息をついたとき、隣に座っている同僚に、つい甘えた、同情を得るための愚痴をこぼしたくなることもあります。

 

要不要の線引をし、それなりに甘えを許容しないと、日々は回っていかないのです。

 

伝えることはいつでも、誠実かつ緻密であらねばならないという理想と、そのとき置かれた現実とをぎりぎりまですり合わせて、両者がちょうど、もっとも高い位置でふれあう瞬間を探すことです。

 

そのために、まずは周りをできるだけよく見るように心がけています。

 

伝えるべき相手がいまどんな環境におかれているのか、何をほしがっているのか、何を知っていて何を知らないのか、何が好きで何が嫌いか。
目だけではなく、耳や鼻や、皮膚を使って拾います。
受け手を知らなければ、必要なことを、不要な負担なく伝えることはできないからです。

 

そしてできるだけこまめに、自分の考え方、感じ方を疑います。

 

1度できあがった思考は居心地がよく、ついそこにとどまってしまいます。
でもそうしてあたたかいところに閉じこもっているうちに、周囲はどんどん変化します。
昨日まで正しかった考えが、気づかないうちに古くなります。
あるいはただ古びるのではなく、変質し、こりかたまり、使いものにならなくなります。
そうなってしまった思考をベースに誰かに語りかけたところで、もう何も伝わることはありません。

 

周りをよく見ることも、自分を疑うことも、あまり得意ではありません。
それなりに気を張らないとできないし、1日中気を張ることもできないので、家に帰れば全部忘れて、ぼんやり夕飯を食べます。
ただ必要なときにはそれをする、くらいには、意識しておかないといけないと思います。

 

そんなふうに緊張と弛緩のバランスをとりながら、伝えるということに向き合うなかで、腕試しのように楽しいのが、仕事として、人から依頼されて書くということです。

 

ビジネスの場で作られる文章はほぼすべて、読み手の行動を生み出すためのものです。
製品を買ってもらうとか、企画を通してもらうとか、求人に応募してもらうとかいった動きを生むためのステップの1つとして何かを書きます。

 

ですから私に仕事をくださる方は、必ず明確な目的を持っています。
はっきりとした言葉にはなりきっていない場合もありますが、そのときはやっぱりコミュニケーションをして、いっしょに見つけ出します。

 

相手の目的、イメージ、期待を引き出して、それにいかに応えるか試行錯誤する。
これが、楽しくて仕方がないのです。

 

 

というわけで『J WALD誕生までの歴史』、楽しく書きました。
私が作成したのは本文だけなのですが、いつの間にかタイトルがつき、リーフレット化され、いくつかのお客様の元に届いているようです。

今後よりコンパクトなかたちにして、もっと多くのお客様にご覧いただければという話も出てきています。
もしお読みいただくことがありましたら、そこに登場する人たちと、彼や彼女のお仕事のこと、少しのあいだ想像していただけたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

まふゆさん

“まふゆさん”の中の人。
大阪オフィスの管理部門でこつこつ働きつつ、
ときどき社内ライター兼校閲ガールを務める。
本とお酒とNHK Eテレ「きょうの料理」が好き。

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