AI活用の壁を乗り越えるには

仕事効率化, 製造業

シナプスイノベーションマーケティング室のHです。
今回は当社の研究開発部門の若手社員にAIをテーマにインタビューし、AIとは何か、今AIで何ができるのか、聞かせてもらいました。

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シナプスイノベーションのAです。
2017年に新卒社員として入社し、AIを活用したサービスの研究開発に入社1年目から携わっています。

AIとは

「AI」(人工知能)という言葉を耳にする機会が、ここ数年でとても増えたと思います。

皆さんはAIと聞いてどんなものを想像しますか?
最先端の、なんだかよく分からないけどすごい技術?
それともドラえもんやターミネーターのような、まるで人間みたいなロボット?
今回はそんなAIについてお話したいと思います。

 

現在一般的に使われているAIという言葉は、実は明確な定義が存在していない、いわゆるバズワードです。
そのため研究者によって認識は様々なのですが、まずはイメージを掴んでもらうために、ここでは「これまで人間にしかできなかった知的な行為をコンピュータで行うこと」と定義します。

 

こう表現すると、AIをとにかく万能で何でもできるすごいものという風にイメージなさる方が時々いらっしゃいます。
ですが今の時点では、そのイメージと現実の技術との間にはまだギャップがあるのです。

 

現在実用化されているAIは、人間と同じようにいろいろなことを考えて自ら実行できる、ドラえもんのようなものではありません。
囲碁ができるAIは囲碁、自動運転ができるAIは運転と特定の分野だけに特化したものがほとんどです。

また、少なくとも現時点では、AIには0から1を創造することはできません。
あくまでも与えられたデータを元に判断して行動するものです。
ですから活用するにはビッグデータ、これもバズワードと呼べそうですが、要は必要なデータを十分に集め、整備しておくことが必要です。

 

AIは、結果を受けて学習し、次回以降の行動にフィードバックすることができます。
しかしそのためには、結果に対する評価軸の定義もしておかなければなりません。

結果をフィードバックするとはどういうことか、人間に置き換えてみるとわかりやすいと思います。
貴方が住宅街で自動車を運転していて、わき道から子どもが飛び出してきてヒヤッとしたとします。
するとそれからは、貴方は似たような住宅街では徐行運転するよう心がけるようになるのではないでしょうか。

AIもほぼそれと同じことができるのですが、ただし、どんな結果が良いものでどんな結果が悪いものかを0から判断することはできません。

そのため、もし人や物を傷つけない運転をAIに実行させたいのであれば、人や物を傷つけないことは良い、傷つけることは悪いというふうに、結果の良し悪しの基準を人間が定義しておく必要があるのです。

今、AIに期待できることとは

まだまだ発展途上でわがままなところも多いAIですが、上手く使いこなせば人間以上のパフォーマンスを発揮してくれる可能性を秘めています。
実際、既に将棋AIの「Ponanza」が将棋のトッププロを打ち負かしたり、IBMのAI「Watson」がアメリカの有名なクイズ番組で勝利したりしています。
技術が発展するにつれてAIが高いパフォーマンスを出せる分野が少しずつ増え、活躍の場は広がっていくでしょう。

では、今AIに期待できるのはどんなことなのでしょうか。

まず、AIは過去のデータを分析して未来を予測することが得意です。
需要がどう動くかを予測して供給の計画に活かしたり、機械がいつごろ壊れるかを予測して先に部品交換をしたりすることができます。

言葉や画像の認識も可能です。
自動翻訳や、製品の異常検知などに活かされています。

人間の脳より速く確実に、複雑な条件を考慮した膨大なパターンの計算をすることもできます。

こうした特徴を踏まえると、AIを使って企業が実現できるのは、大きく次の3つだと考えられます。

  • 自動化…人間がやっていたことを機械ですること。
  • 標準化…個人の知識や経験に基づくノウハウをテンプレートにすること。
  • 最適化…いくつもの選択肢の中から最もよいものを選び出すこと。

これまで人間が経験や勘を頼りに判断し、時間をかけてやっていたことを、短い時間で正確にコンピュータが処理してくれるというイメージです。抽象的な表現ではありますが、この3つをキーワードに業務を見直してみると、改善のアイディアが浮かんでくるかもしれません。

 

AI活用のために重要なこと

メディアで報道されるAI活用事例は当然成功例がほとんどですので、余計に万能というイメージを持たれやすいのかもしれません。けれど、AIというものを1つ導入すれば自社の課題を何もかも解決してくれる、というわけにはいきません。

まずはAIでできること、できないことを知ることが大切です。
そのうえで、AIでどんな課題を解決したいのか、目標設定をすることがAI導入の第一歩です。
加えて、AIを十分活用するためにはその前段階として、AI技術の元となるデータを収集するIoT技術や管理するシステムを充実させることも必要です。

 

シンギュラリティ(技術的特異点)とは

ここまで、今AIに何ができるのかをお話しました。
しかしAIの技術は日々進化しており、これから先もっと高度な働きができるようになると期待されています。

2045年には、AIが人間の知能を超えるという説が提唱されています。
これも近年よく耳にする「シンギュラリティ」(技術的特異点)という言葉は、この転換点を示すものです。

ここでいう人間の知能を超えるとは概ね、AIが自ら自身を改良することができるようになることを指します。
そうなったとき、AIの進化は人間の予測できる範囲を超えると言われています。

 

怖い話のようにも聞こえますが、その時社会はどう変わるのか、まだまだわかりません。
ポジティブなインパクトが期待できるという説もあります。
そもそもシンギュラリティ自体が賛否両論ある説で、そのようなことはありえないと考えている人も、絶対に避けられないと考えている人もいます。

人間には、未来を100パーセント予測することはできません。
ただどんな時代が訪れてもそれに対処できるよう、正しい知識を身につけておくことがやはり重要なのです。

 

最後に

AIについて、ごく簡単ではありますがお話しました。
今後さらなる研究が進み、企業での実運用も増えていくことは間違いないと思います。
その下準備をなさっている皆さまの手助けとなりましたら幸いです。

AIは導入して終わり、というものではありません。
日々進化する技術をキャッチし、メンテナンス・アップデートしていかなければなりません。
そのためには有識者の手助けが必要になるでしょう。
一技術者として皆様に最善のサポートができるよう、これからも努力していきたいと思います。

“AI”という最先端のテクノロジーを一緒に“カタチ”にしていきましょう。

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