座席がない? ひきだしがない?(後編)
※「座席がない? ひきだしがない?(前編)」はこちら
朝、オフィスについてみると、出張でやってきた東京の営業さんたちで、いつもの席がいっぱいになっていたわたし。
でもシナプスイノベーションは“フリーアドレス”のオフィスだから、今日座る席はじぶんで自由にきめることができる。
きょうは1日、上長の川田さんにべったりはりついて仕事をすることにきめた。
川田さんのとなりの席に座って、必要な資料をさがす。
シナプスイノベーションのデスクには、ひきだしはひとつもついていない。
ひきだしにいっぱいの書類や文房具なんてあれば当然“フリー”に動けなくなる。
だからそもそもひきだしがないのだ。
じゃあ、必要な資料はどこに?
それは、ひとりひとりに支給された“ボックス”の中にある。
社員は、毎朝それをロッカーから出して、席に持っていく。
わたしは、自分の白いボックスをひざの上において、次の合同会社説明会でつかうためのポスターやリーフレットのデザイン案のプリントをとりだす。
(今、シナプスイノベーションは絶賛新卒採用中だ)
「いくつか用意してみたんですけど、ご意見きかせていただけませんか?」
「ふんふん。ちょっと貸してくださーい」
川田さんは口元に手をあてて、資料をめくりはじめた。
わたしはボックスのなかから蛍光ペンをだして、となりから差し出す。
このひきだしがわりの箱、使い方は人それぞれだけれど、基本的にはここに入りきるぶんしか仕事道具は持ち運べない。
わたしはペンやメモ帳、借りた本なんかもここに入れてしまう。
席の移動のときには重いけど、しかたないので両手で抱えて歩く。
「んー、とりあえずこんな感じですかね」
川田さんが、ささっと指示を書きこむ。
「ここの写真だけちょっとまわりと合ってないんですけど、そもそもどうしてこの写真にしたんでしたっけ?」
「えーっと、待ってくださいね。たしかどこかにラフが……」
この案のもとになったラフも、ボックスにまとめていたはず。
ごそごそあさってみると、古い書類の下じきになっていた。
「あったあった……これですね」
川田さんにわたしてから、すこし反省。
(ちょっと余計な資料、ためこみすぎかも……?)
ひきだしほどものは入らないとはいえ、結構ごちゃごちゃしてきた。
そろそろ整理のしどきだな。
そうだ。また“あの人たち”にシュレッダーしてもらおう。
・・・
荷物は持ちすぎず、身軽にエコにはたらきたいものです。
ボックスの中の整理を決意したわたし。
次回はその強い味方についてお話します。
(この記事は、当社の取り組みを元にしたフィクションです。
登場人物・エピソードはすべて、“まふゆさんの中の人”の創作です)
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まふゆさん
“まふゆさん”の中の人。
大阪オフィスの管理部門でこつこつ働きつつ、
ときどき社内ライター兼校閲ガールを務める。
本とお酒とNHK Eテレ「きょうの料理」が好き。