休日出勤手当がつかない休出

シャローシのお仕事, 人事・労務

 

先月は土曜日に出勤したのに、給与明細に「休日出勤手当」がついていなかったシナプスイノベーション社員まふゆさん。
その明細をにぎりしめ、憤慨した顔つきで社労士の浅尾につめ寄ります。

 

「休日出勤手当を楽しみに、読書三昧をあきらめて出勤したんですよ!
なのに何もないなんて、ひどいと思いません?」

「落ち着いて、まふゆさん。
実はね、労働基準法が定めている休日は、週に1日だけなの」

「……えっ。じゃあ、土曜日って本当は出勤日?」

「会社の就業規則を見てみましょうか。
うちの会社の場合、休日として土曜日と日曜日、と定められていますよね?」

「じゃあやっぱり休出手当がもらえるはずじゃ?」

「法が定めている休日は“法定休日”といって、その日に出勤した社員には、会社から休日出勤手当を支払わなければなりません。
でもこの法定休日は、会社の就業規則と関係なく、週に1日または4週に4日、と定められているのよ」

「そのほかの休日に出勤しても、ただ働きってことですか?」

「ただ働き、ではないわね。
法定休日とは別に会社が定めた休日を“所定休日”というんですが、所定休日に働いたということは、会社と契約した労働時間を超えて働いたということ。
だからまふゆさんも、休出手当じゃなくて、時間外手当が支給されているはずですよ」

「……あ、本当。今月の残業はいつもと同じくらいだったのに
時間外手当がたくさんついてる」

「その手当は、今回の土曜日出勤分がカウントされているということよ」

「なーんだ! 良かった~! これでまた小説の新刊が買えます!」

「ちなみに休日手当は割増率が35%、時間外手当は割増率が25%です。
ただし大企業については月60時間超の時間外労働ぶんは、割増率が休日手当より高い50%になるんですよ。
中小企業はこの取扱いが現在猶予されていますが、平成31年度にはこの猶予が撤廃される可能性が出ているので、会社側もそのつもりでこれからの仕組みを考える必要がありますね」

「なるほど」

・・・

説明に納得したまふゆさん。
頭の中で、買いに行く小説をリストアップしはじめるのでした。

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浅尾
この記事を書いた人

浅尾 美佳(あさお みか)

食べてしゃべって走る、特定社会保険労務士。
使命は社内平和と世界平和。
ジョージ・クルーニーの嫁に憧れています。

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