ビジネスパーソンはなぜ、同じミスを繰り返すのか?

経営 事上磨練, 働き方改革, 経営・マネジメント, 弊社の取り組み

 

 

シナプスイノベーション代表取締役の藤本です。

2018年の新春企画として、私の記事『経営 事上磨練』を2週連続でお届けしております。
前回は『仕事をコントロールする「主体的な行動」とは』と題し、自ら責任を持って行動することの重要さを、実例を交えてお話いたしました。

今週は、「人はなぜ、同じミスを繰り返すのか?」という、多くの方が抱えておられるであろう疑問に、私なりの答えを示したいと思います。

 

皆さんの周囲に、何の工夫もなく何度も同じミスを繰り返す人はいませんか?
あるいは皆さんご自身に、思い当たるところはありませんか?

 

もちろんミスの原因は様々です。
代表的なものとして、仕事のやり方がわかっていないこと、あるいは習熟度が不足していることが挙げられます。
(こうしたことへの対処法も、以前のブログでお話しました)
たまたま体調が悪かったということもあるでしょうし、はじめからやる気がないという人も、残念ながら存在します。

ところが中には、能力も十分にあり、やる気を含めたコンディションも健全なのに、なぜか同じミスを繰り返してしまう人がいます。

 

あるとき私は、同じミスを繰り返す傾向のある人たちに、こんな質問をしてみました。

 

クリスマスに恋人をディナーに誘おうとしたけれども、目的のお店はあいにく予約がいっぱいで、行くことができなかったとします。
次の年のクリスマス、貴方はどのような行動をとりますか?

するとほとんどの人は、予約を早めに行うとか、違うお店を検討すると答えてくれました。
前回のミスを踏まえ、工夫ができるということです。
ところが仕事となると、突然それができなくなってしまうのです。
いったいなぜでしょうか。

 

彼らが成果ではなく時間を売っているからではないかと、私は考えました。

恋人とクリスマスを過ごすなら、素晴らしく、想い出になるような時間にしたいものです。
そのためにディナーのお店をいくつも検討したり、早めに予約を入れたりします。
満足いく結果のためなら、人はきちんと工夫をして、ミスを避けるということです。

 

固定給で雇用されている人は、仕事の内容にかかわらず、一定の時間業務に従事すれば給与を得ることができます。
この、一定の時間働くことで得られる給与だけを仕事の目的にしている、つまり時間を売っている人には、仕事のやり方を改善する必要がありません。
何度同じミスをしても、時間を売った分だけ報酬が得られるからです。
こういった人たちにとっての仕事の報酬とは、時間に伴う金銭報酬のみです。

固定給で働いていても、成果を意識している人は、ミスをしてしまったら仕事のやり方を改善しようとします。
彼らは金銭だけではなく、よりよい成果を出すことそのものや、社会に貢献すること、周囲から評価されることなども仕事の目的であり、報酬であると捉えています。

 

仕事とは成果を誰かに届けるための活動であり、作業とは仕事の中で必要な手続きです。
時間を売っている人は、作業だけに注目し、仕事に目がいかない傾向があると思います。

任されたことを仕事ではなく作業と捉えていると、誰かに指示されたことだけをこなす、いわゆる指示待ち人間になりがちです。

言われたことしか行わず、ミスをしてもそこから学ぼうとしない。
そんな人を変えるために指示を出す立場の人にできることを、3つ挙げてみます。
どれも、前回の記事でも触れた書籍『7つの習慣』で推奨されている、「主体性を発揮する」「目的を持って始める」といった習慣に基づいた行動です。

  1. その人の担当箇所だけでなく、仕事全体を説明すること
    自分に割り当てられた箇所のことしか知らないと、何のためにそれを行うのかが理解できず、ただ言われたことだけをこなすという姿勢になってしまいます。
    前後の工程も含めて仕事の全体像を俯瞰的に説明してあげることで、仕事における自分の役割を認識してもらいやすくなります。
  2. 時間給以外の目的(報酬)を共有すること
    その仕事が本人にとって、また組織や社会にとってプラスになるということを、金銭的報酬以外の観点からも伝えて、より成果を意識するよう促します。
  3. 相手から案をもらうこと
    一から十まで指示するのではなく、時には「貴方はどうしたらいいと思いますか」と、相手からの案を求めます。
    自分の頭で考え、判断する力を養うためです。
    案を出してもらったら決して頭ごなしに否定せず、一緒になって検討してください。

 

指示されたことをただ作業としてこなすのではなく、成果を意識して仕事をするようになれば、ミスをしたときの対応も変わってくるのではないでしょうか。

 

もちろんこの考えでは、成果に応じて収入を得る立場にもかかわらず同じミスを繰り返す人については説明ができませんし、私にとってもまだ仮説の段階です。
上に挙げたことを社内でしっかり行って、検証してみたいと思います。

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代表取締役社長 藤本繁夫 
この記事を書いた人

藤本 繁夫

株式会社シナプスイノベーションの社長をしています。
時空を超え、国境を超え、業界の常識を超え、びっくりポン!なアイデアを発信します。

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