情報システムが行動力を育む
シナプスイノベーション代表取締役の藤本です。
先日、新卒採用の面接で、学生さんから次のような質問を受けました。
「行動力を身につけるには、どうしたらよいのでしょうか?」
ここでいう行動力とは、ビジネスの世界において、なすべきことを即座になす能力のことでしょう。
私はこのような、物事の本質を問うキラークエスチョンを好みます。
そこで、
「あなたが、行動をためらってしまう場面をイメージしてください。
そのときあなたは、無意識に責任と自己保身を天秤にかけています。
そこで前者、責任を選ぶことができればいいのです」
と回答しました。
たとえば、仕事のできない部下を強く叱れない上司がいるとします。
上司たるもの部下を指導する責任があるはずですが、なぜそれを果たすことができないのでしょうか。
その人の中の「部下に嫌われたくない」という気持ちが、厳しい態度をとるのを妨げているからです。
わからないことがあるために仕事の手が止まってしまっても、誰にも相談できない人。
その人の中の「無能だと思われなくない」という気持ちが、ためらわせているのです。
お客様に商品をアピールしなければならないのに、小さな声でうつむきがちにしゃべる人。
その人の中の「失敗したくない、恥をかきたくない」という気持ちが、怖気づかせているのです。
何かしよう、しなければと思うとき、それを阻むのは、「こんなふうに思われたくない」という自己保身の気持ちです。
ですから、その気持ちを克服することができれば、自然となすべきことをなせるはずです。
自己保身の気持ちを克服するには、プロとしての高い意識が必要です。
そして、高いプロ意識を育むために必要なのは、仕事の目的を知り、その中で自分が果たすべき役割、つまり責任を理解することなのです。
組織は今、何を目的に動いているのか?
その目的を達成するために、自分は何をしなければならないのか?
正しく理解できれば、天秤は「責任」の側にぐっと傾くでしょう。
言葉にすると簡単なことですが、いきなり「仕事の目的と自分の役割を理解しろ」とだけ命じられても、当惑してしまう人も多いでしょう。
そこで、そんな社員の行動を促すため、組織に取り得る有効な手段が、情報システムの活用です。
「会社の利益を上げるためにがんばる」ことを、社員に望むとしましょう。
さあ理解しろ、がんばれと言ってみたところで、相手はうまく動いてはくれないはずです。
「会社の利益を上げる」という目的も、「がんばる」という役割も、自己保身に囚われて踏み出せない人の背中を押すには抽象的すぎるからです。
組織はまず、現時点での利益はいくらで、いつまでにいくら上げたいのか、数値化した目標を設定しなければなりません。
これを管理するのが、情報システムの最初の役目です。
過去のデータを用いれば、より厳密かつ正確な目標を立てることも可能でしょう。
次に、日々の実績を情報システムに入力していきます。
ある程度データが蓄積されるうちに、目標と実績の差異が見えるようになるはずです。
その差異はなぜ生まれてしまったのか、データを元に分析します。
すると、営業部第1課が利益につながる仕事を受注できていないとか、生産部第3グループが大幅な進捗遅延を起こしているとかいった、具体的な問題が見えてきます。
それではそうした問題を解決するためには何をしたらいいのか?
そう考えてみたとき初めて、社員それぞれのなすべきことがはっきりするのです。
「会社の利益を上げるためにがんばる」では、具体的に何をしたらいいのかわからず、ミスを恐れて立ち止まってしまう。
ですが、
「会社全体の利益を○円上げるために、生産のスピードを○倍に速める必要がある。
だから、作業を効率化するアイディアをどんどん提案しなければならない」
ということまで理解できれば、余計なことをして恥をかきたくないとしり込みするのではなく、求められていることを力いっぱいやろうと考えられるようになるでしょう。
目的と役割の明確化は、情報システムの最も得意とすることなのです。
行動力を身につけるにはどうしたらいいのか?
悩んでいる人は少なくありませんし、彼らの悩みを解決すれば、組織にとっても好ましい結果が得られます。
率先して行動できる人を育てるために、情報システムの活用に目を向けてみてください。
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私たちは、製造業のためのソフトウェア開発会社、シナプスイノベーションです。
基幹システムの導入から、生産・物流等の見える化・自動化までワンストップで提案します。
経営層から現場層まで情報を一気通貫につなげられることが強みです。
藤本 繁夫
株式会社シナプスイノベーションの社長をしています。
時空を超え、国境を超え、業界の常識を超え、びっくりポン!なアイデアを発信します。