良い企画を生み出すフレームワーク
マーケティング室の長井です。
私は「SWITCHインタビュー」というテレビ番組が大好きです。
毎週土曜日の22時にEテレで放送されています。
この番組では、異なる分野の著名人2人が登場して、“仕事の極意”について対談します。
いかに困難の壁を乗り越えたかという話も聞けたりして、とても勉強になります。
対談は、片方の人がインタビュワーになり、もう片方の人にインタビューする形式で進みます。
面白いのは、番組の前半と後半でその役割が“スイッチ”されることです。
たとえば前半は小説家のAさんが歌手のBさんにインタビューし、後半はBさんがAさんにインタビューするといった具合です。
お互いにインタビューし合うことで、相乗効果で話がどんどん面白くなっていくのです。
最近私がいちばん面白いと思ったのは、11月12日に放送された回です。
星野リゾート(リゾート施設経営)の星野佳路社長と、中川政七商店(工芸品製造販売)の中川政七社長の対談でした。
特に、中川社長の「商品企画のフォーマット」の話は目からウロコでした。
中川社長は、商品企画をするとき、いつもその商品に対する「志」、「ストーリー」、「らしさ」、そしてそれらを一言にまとめた「コンセプト」を考え抜くそうです。
この4つが、企画の理由であり、意義であり、実行力の源泉だからです。
例に出されていたのが、「ハンカチ」の企画でした。
中川政七商店はなぜハンカチをつくるのか?
それは、中川政七商店には、現代社会の「ハンカチを持たない風習」や「タオルハンカチの台頭」に押されて衰退をたどる“昔ながらのハンカチ”に光を当てたいという「志」があり、
1925年のパリ万博に麻のハンカチを出展したという「ストーリー」があり、
他にない、素朴さや機能性を追求したハンカチを製造できるという「らしさ」があるからだそうです。
「コンセプト」については番組では具体的に取り上げられませんでしたが、整合性を取りながら他の3つをブラッシュアップする中で、紡ぎ出していったそうです。
言及されなかったそのコンセプトのことが気になったので、Googleで検索してみました。
「肩ひじはらないハンカチ」というのが、どうやら企画のコンセプトのようです。
すばらしいフレーズですね。商品も見てみましたが、素朴でありながら趣があるデザインで、思わず1枚欲しくなりました。
つくり手が熱意を持ってそのハンカチと向き合う様子が目に浮かびます。
「志」と「ストーリー」と「らしさ」、そして「コンセプト」。
それを徹底して考え抜くことで、なぜ、なんのために商品を作るのかが明らかになり、つくり手の情熱が湧き出すのですね。
他方、「売れそうだから」だけを理由にしている企画は説得力がなく、とん挫してしまうことが多いのだそうです。
「志」、「ストーリー」、「らしさ」、そして「コンセプト」というフレームワークで企画を考えてみる。
すると、その企画はまわりを巻き込む“強い企画”へと変化するかもしれません。
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長井 建(ナガイ タケル)
株式会社シナプスイノベーションのマーケティング担当。毎朝、嫁に寝ぐせを直してもらっている。
座右の銘は「仕事は遊び、遊びは仕事」。奈良の前方後円墳のふもとで育った。