若手社員、海を渡る
きょうも1日、よくはたらきました。
ということで、電車に乗りこみつり革を掴む。
いつもどおり、電子書籍アプリで小説を読もうとスマートフォンをとりだすと、ちょうどメッセージの通知がきた。
上長の川田さんから、何か画像がとどいている。
開いてみて、あ、と思った。
民族人種さまざまな皆さまが、オフィスらしき場所にずらりと並んだ写真、その真ん中に、入社2年目の女性営業スタッフ・都築さんが、満面の笑みで写っている。
そうだ、都築さんは今週から2週間、ヨーロッパに出張中なんだった。
川田さんから、続けてメッセージがきた。
『現地で、Software Imagingの方と撮ったみたいですよ』
Software Imagingは、イギリスに本社のある、シナプスイノベーションのグループ会社だ。
思い浮かんだそのままを、川田さんに返信する。
『都築さん、しあわせそうでなにより……』
都築さんは、入社したばかりのころからことあるごとに、海外で働きたいと話していた。
それが叶って海外営業チームの一員になり、今回の出張に参加しているんだけど、このかんじ、なかなか満喫しているらしい。
川田さんから返事がくる。
『若手は特に、海外に興味のある社員が多いですしね。
都築さんが、次につながる仕事をしてきてくれるといいですね』
海外とかかわる仕事を希望しているのは、都築さんだけじゃない。
たくさんのメンバーが、開発、営業、それぞれの立場でまいにちを過ごしながら、手をあげている。
もちろん、みんながみんな現地に行くわけじゃない。
いつものオフィスではたらく人たちも、そこでできるいろんなことを進めている。
たとえば。
英語資料の翻訳をするプロジェクトのチャットを、ちらっと覗く。
オランダの提携先・UNIFACE社から届いた資料を翻訳するお仕事で、希望すれば誰でも参加できる。
いろんな世代、いろんな立場、英語のレベルにもばらつきのある中で、協力しながら進めていけるよう、いろいろと試行錯誤しているそうだ。
いま翻訳中なのは、短い広告文みたいだ。
さっと読んでみると、なんとなく、ぼんやり意味はわかる。
でもきちんと訳するとなると、英語力も文章力も、技術の知識も必要で、なかなかむずかしそうだ。
翻訳お願いのメッセージが書きこまれるとすぐ、わいわいとチャットが動きだす。
(なんか、みんなすごいなあ……)
英語も海外もきらいなわけじゃないけれど、どんどんかかわりたいと思っているわけでもない。
いつもの電車の窓にうつる、おつかれ顔の自分と目があう。
(でもわたしだって、明日やりたいこといっぱいあるし)
来月のイベント用のおべんとう、発注してないし。
たのまれた資料、完成させたいし。
派手じゃないけど、まわりの誰かのために必要だからやってることだ。
(採用サイトの原稿チェックだって、まだおわってないし)
そう、わたしだって、大好きな文章にかかわる仕事をさせてもらっている。
やりたい、大切だとおもうことをちゃんとやっている。
都築さんが海の向こうをみているのと、たぶんおんなじだ。
『次は、XX駅、XX駅ー』
車内アナウンスで、現実に引きもどされた。
結局小説は1行も読めなかったけど、スマートフォンをかばんにしまう。
都築さんが都築さんの世界でやっているみたいに、わたしはわたしのするべきことをしたらいいんだ。
(よし。明日も地道にがんばろ)
かばんの肩ひもをにぎって、電車を降りた。
・・・
海外展開は、いまシナプスイノベーションがとくに力をいれているテーマのひとつです。
今回は少しずれた立場からふれましたが、他の方の記事や採用情報などでも扱っていますので、ご興味があればごらんください。
(この記事は、弊社の取り組みを元にしたフィクションです。登場人物・エピソードはすべて、“まふゆさんの中の人”の創作です)
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まふゆさん
“まふゆさん”の中の人。
大阪オフィスの管理部門でこつこつ働きつつ、
ときどき社内ライター兼校閲ガールを務める。
本とお酒とNHK Eテレ「きょうの料理」が好き。