「原価管理」と「原価計算」の違いがわかりますか?
おはようございます。シナプスイノベーションプロダクトクリエイション部の中里です。
私は2015年の11月にシナプスイノベーションに入社したのですが、それ以前から、製造業の原価管理に関する仕事にいろいろと関わってきました。
重工業のお客様に向けて、海外工場の原価の見える化に取り組んだり、食品業の会社の原価低減を目指したりした経験があります。
原価管理は製造業にとって大きなテーマなのですが、実はよくわからないという方も意外にいらっしゃる分野です。
今回のブログでは、「原価管理」と「原価計算」という2つの言葉について、解説したいと思います。
「原価管理」と「原価計算」は違うもの
「原価管理」と「原価計算」という2つの言葉を聞いた事があるという人は多いかと思います。
どっちも同じようなもんだと思っている方もいるかもしれませんが、この2つの意味するところは違います。
日本では、昭和37年に原価計算基準が設定されました。(まだ改訂されていません)
この基準では「原価管理」を、
「原価管理とは,原価の標準を設定してこれを指示し,原価の実際の発生額を計算記録し,これを標準と比較して,その差異の原因を分析し,これに関する資料を経営管理者に報告し,原価能率を増進する措置を講ずることをいう。」
と定義しています。
一方、「原価計算」については、
財務会計機構から受け取ったデータについて給付と関わらせた一定の計算をおこなうことによって、製造活動を貨幣価値的に表す技術である、
といったことが書いてあります。
これだけ見てもよくわかりませんよね。
「原価管理」とは
まず、「原価管理」は、大きく3つに分けられます。
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つまり原価管理とは、まず標準=原価の目標を定め、次に実際にモノを作ってみて実際の原価と標準との差を知り、できるだけその差を詰めていく、詰めることができたら今度は標準自体を下げて、さらにそこを目指して実際の原価を下げていくという、原価のPDCAマネジメントサイクルのことなのです。
「原価計算」とは
では「原価計算」とは何でしょうか。
「原価計算」では読んで字のごとく、製品を提供するのにかかる原価を計算することなのですが、それには5つの目的があります。
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「原価管理」も目的の1つに挙げられていますが、「原価管理」=「原価計算」ではないのはおわかりいただけましたよね。
「原価計算」ができているからといって、それを用いた正しい「原価管理」ができているとは限りません。
「財務会計」と「管理会計」の違い
大きく言えば、原価計算とは財務会計・管理会計のための情報提供ですが、ちなみに「財務会計」と「管理会計」の違いはおわかりになりますでしょうか。
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「財務会計」と「管理会計」は、上記のような違いがあります。
これらも、混乱する方の多い用語ですね。
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「原価管理」や「原価計算」について、イメージしていただけたでしょうか。
私はいま、培ってきた知識と経験を活かして、製造業向け生産管理システム「J WALD」の開発に取り組んでいます。
現在構想中のJ WALD Ver2.0では、さまざまな目的の「原価計算」が可能になり、お客様のよりよい「原価管理」を実現する予定です。
在庫管理を効率的に行うヒントについてはこちらの記事をご覧ください。
製造業向け生産管理システム「J WALD」
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私たちは、製造業のためのソフトウェア開発会社、シナプスイノベーションです。
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中里 真仁(なかざと まさひと)
宝塚歌劇をこよなく愛する生産管理&経営管理コンサルタント。
神戸生まれの神戸育ち。海を眺め、山へ登ることが好き。
関心あること、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。