有給休暇を取りたい?だったらホワイトカラーも「多能工」になろう
おはようございます。シナプスイノベーション マーケティング室の長井です。
日本人は世界一の休み下手
「日本人の有休消化率は2年連続最下位」「日本人は世界一の休み下手」
こんな調査結果が、先日エクスペディア社から発表されました。
有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017(エクスペディア)
https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2017/
この調査は2009年から実施されているようです(2017年はサンプル数:15,081名/30ヶ国)。
日本は2014年と2015年にワースト2位で、それ以外はすべて最下位という惨憺たる結果です。
そもそも日本より有休支給日数が少ないために相対的に消費率が高くなる国もありますし、あるいは日本人は仕事熱心だとポジティブにとらえることもできます。
しかし、調査によると、日本人が有休を取らない主な理由は、「緊急時のためにとっておく」「人手不足」「職場の同僚が休んでいない」などだそうです(「仕事をしたいから」ではなく)。
背景として、日本人の過度なリスク回避志向(どんな緊急事態のために有休をたっぷり取っておくのでしょうか)、有休を取りづらい職場環境や社風があることが伺えます。
こうしたデータを踏まえて、有休を取れない理由を深堀していくうちに、私はたった1つの原因が日本人を休みにくくしているのではないかと思うようになりました。
仕事に対する「自信」がないから休めない
そのたった1つの原因とは、仕事に対する「自信のなさ」です。
「私は会社に貢献している」という自信や、「今私が休んでも業績に悪影響は出ない、他人に迷惑をかけない」という自信がないのです。
だから休めずに、なんとなくズルズルと仕事を引き延ばしてしまうのだと思います。
その状況を打破する、つまり仕事に対する自信をつける(あるいは部下に自信をつけさせる)ために、私がおすすめするのが、自分の部署内外で「多能工化」を進めることです。
有休を取れるようになる最短ルートは「多能工化」
多能工とは、言わずもがな、1人で複数の業務や工程をこなせる人のことです。
ブルーカラーであれホワイトカラーであれ、「多能工化」が、有給休暇を(取りたい人が取りたい時に)取れるようになる最短ルートだと私は考えています。
多能工が増えるとなぜ仕事に対して自信がわいてくるのかというと、次のような様々な効果があるからです。
過度なプレッシャーが無くなりモチベーションが上がる
特定の人に特定の時期、ある業務が集中するということはよくあります。
ですが多能工化が進み、短期的に忙しくなる業務を複数の人で担当できるようになれば、比較的余裕のある人が忙しい人をカバーできるようになります。
つまり業務を平準化することで、特定の時期、特定の人に過度なプレッシャーがかからなくなるということです。
むろん、忙しい時期でなくても、休みたいときに他の人に仕事を振ることもできるようになります。
たとえば私の場合、自社で動画を制作できるのは自分だけだったのですが、部下に作り方を教えてから、他の業務により集中できるようになりました(それまでは締切が数ヶ月先でも動画のことが気になって仕方ありませんでした)。
さらに、プレッシャーから開放されることで楽しんで仕事ができるようになり、モチベーションが上がります。
人は過度なプレッシャーがかかるとモチベーションが下がり、適応的パフォーマンス(想像力や応用力といった能力)を発揮できなくなるということは以前ブログで紹介しました。
なぜ「社風」は大切なのか
https://www.synapse-i.jp/public-relations/201702184472
業務フローを整理、ブラッシュアップでき、効率化につながる
多能工化するということは、担当業務について他人と教え合うということです。
必然的に業務マニュアル(簡単な手順メモから詳細なものまで様々)を作成することになります。
マニュアル作成や、人に教えるということを通じて、自分の中で業務フローの整理ができ、迷いがなくなり、作業スピードがアップします。
教えた相手から新しい視点で業務効率化のアイデアが出ることもあります。
他人に振る作業は、決まりきったルーチンワークでなくてもよいです。
今までなんとなく自分のノウハウでこなしていた作業を、他人に見直してもらういい機会にもなります。
弊社の場合、あらゆる部署のルーチンワークや、単発で人手がいる作業などの支援をミッションとしているチーム「ワークサポーター」がいるので、そのメンバーに作業を切り出してお願いすることもあります。
部署が異なる分、自部署/自分でやるとき以上に、無駄なことはさせられないという心理が働きます。また、相手は業務のことを分かってないぶん、素朴に「これって何のためにやってるんですか?」と質問がくることもあります。
改めて目的を考えると、実は無駄なことをしていたことが判明することもよくあります。
ちなみに弊社はマニュアル作成・管理ツールとして、「Teachme Biz」というクラウドサービスを使っています。もしご興味がありましたら紹介いたします。
他部署を思いやった仕事ができ、担当業務の付加価値が上がる
他部署の業務を経験することで、部署間の思い違いを無くすことができます。
私の場合、人事部や営業部などから、「○○の動画作って」とか「ウェブページ作って」「チラシ作って」とよく依頼を受けますが、それらの利用シーンを想定できなければ質のいい成果物を生み出すことはできません。
もちろん利用シーンを聞けばよいという話ですが、自分で経験したことがあるかないかで、質問の質も大きく変わります。
自分が仕事を依頼する立場になったときにも、もしその仕事を経験していれば、依頼内容が具体的で的確になります。すると相手の仕事の質も上がり、結局それは自分のためになります。
他部署の仕事を経験することは、結果的に自分の担当業務の質を高めるのに大きな効果があります。
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上記のように、「多能工化」を進めるプロセスの中で、色々な仕事を経験しながら、自分のメインの担当業務に誇りをもてるようになり、やりがいも増します。
すると「仕事に対する自信」、「他の人に任せられる自信」がつき、堂々と有休が取れる、というわけです。
少人数でも成果を上げることが必要
シナプスイノベーションは社是に「三方よし(※)」を掲げています。
(※三方よし:売り手よし、買い手よし、世間よし。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献にもつながる商売が、よい商売である、という近江商人の心得)
つまり仕事を通じてお客様も従業員も幸福になり、それが社会に伝播していくことを目指しています。
お客様に満足いただくことと、休みを取りたいときに取ることは、全く相反するものではありません。
「星のや」などの宿泊施設を運営する星野リゾート社では、「顧客満足度と利益の両立」を厳格な規律としているそうです。
星野リゾートの目標は「顧客満足度と利益の両立」(リクルートマネジメントソリューションズ)
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/case/0000000384/
宿泊施設の業界では、利益を出そうと思うとお客様からクレームがこない範囲で「人件費=サービスの質」を落とすことに走りがちだそうです。
つまり、顧客満足度と利益の両立なんてありえないと。
その常識を打破する星野リゾート社の秘策は、フロントから調理まで1人が4役をこなすことだそうです。
通常の宿泊施設では、フロント部門はフロント業務だけ、レストラン部門はレストラン業務だけ、といったように組織が完全な縦割りですから、星野リゾート社の秘策は革命的です。
労働人口がますます減りゆくこの時代、少人数でも成果を上げることが必要になります。
では、四六時中、働きづめになればよいのでしょうか。
ここまで読んで下さった方は、これから何をすべきかわかっているはずです。
貴社の課題、私たちに相談してください。
私たちは、製造業のためのソフトウェア開発会社、シナプスイノベーションです。
基幹システムの導入から、生産・物流等の見える化・自動化までワンストップで提案します。
経営層から現場層まで情報を一気通貫につなげられることが強みです。
長井 建(ナガイ タケル)
株式会社シナプスイノベーションのマーケティング担当。毎朝、嫁に寝ぐせを直してもらっている。
座右の銘は「仕事は遊び、遊びは仕事」。奈良の前方後円墳のふもとで育った。