走りながら考える
おはようございます。
シナプスイノベーションの中里です。
先日、テレビの旅番組で、イギリス・ロンドンの旅を見ました。
私も以前、イギリスに行ったことがあります。
見ているうちにその旅の、走りながら必死で考えた夜の想い出がよみがえってきました。
今回はそのお話です。
イギリスは、小学生のころから好きだったビートルズの国です。
ずっとあこがれていて、いつかは行きたいと思い続けていましたが、距離も遠いのでなかなか実現せずにいました。
ところが数年前、あるプロジェクトの完了にともなって、久々にまとまった休みを取ることができるかも、ということになりました。
ゴールデンウィークと有休を組み合わせて、10日ほども休めそうです。
そこで、ふと思いたち、イギリスのリバプールとロンドンに行くことにしました。
でも、今はもうゴールデンウィークの2日前。
飛行機や宿、今から申し込むなんて無理なんじゃないの? と、妻。
妻は仕事があり、同じように休むことはできません。
もし行けるものなら、行ってもいいよ。
と、ひとりで行くことを了承してくれました。
ネットでさがしてみると、イギリス行きの飛行機、空席ありました。
ホテルも、リバプールとウィンブルドンで、見つかりました。
時間がもったいないので、着いたその日にロンドンからリバプールまで行くことにしました。
飛行機、列車の時刻表を調べて、ホテルや行きたいところの地図も準備しました。
飛行機の時間を考えると、リバプール行きの列車は最終便になります。
ヒースローへの到着時刻から、列車の出発時刻までは2時間半ほど。
ネットで調べると、入国審査はかかっても1時間くらいらしいので、十分だろうと思い、飛行機と列車と宿を予約しました。
そしていよいよ当日。朝7時、家を出発。飛行機に乗り、20分遅れでヒースロー空港到着。
現地時刻は18:50。リバプール行きの最終列車は20:42発。あと1時間52分。
列車の出発するキングスクロス駅までは、問題なければ1時間ほど。
時間が余れば駅の近くを散歩してもいいかなと、着陸寸前まで考えていました。
ところがイミグレーションに進んでいくと、すごいヒト。ごったがえしている感じ。
どこが列の最後尾かわからないくらい。
いったい、どれくらいかかるのだろう? 1時間ですむのかな?
列に並んでいる間に、だんだん焦ってきました……まだかな、まだかな……。
19:58、やっとイミグレーションを通過。最終列車まであと44分。
あせって、走って、ロンドン行きのヒースローエキスプレス。20:25、あと17分。
パディントン駅につくのが20:40、あと2分。
これではもう、キングスクロス駅を20:42に出る最終列車に間に合いません。
どうする? ロンドンでホテルを探す? ヒースローに戻って夜を過ごす?
どうする? どうする? もうすぐ、パディントン駅に着く。
そうだ! 時刻表を思い出した。
リバプール行きの列車はキングスクロス発で、次の駅はユーストン駅。21:07発。
あと、30分。パディントンからユーストンまでタクシーで行けば間に合う。
20:40、パディントン駅到着。あと27分。
すぐにタクシー乗り場へ。よかった、並んでない。
タクシーに飛び乗り、ユーストン駅へ向かう。
信号で止まるたびにイライラ・ハラハラ、ずっと時計を見ていると、ドライバー、なんかバックミラーでこっちをちらちら。変な東洋人と思っているのだろう。
イギリスの列車は時間通りには運行していないらしい。どうか遅れていますように……。
21:05、ユーストン駅。後、120秒。
ドライバーが“Good Luck”と言ってくれました。
お釣りももらわずにチケット窓口へ、後30秒……。
窓口の女性がニッコリして“5分遅れてます”、は~、よかった。
いつもなら、列車が遅れたら、なんでって思うのに……。
チケットをもらって、列車に乗り込みます。
何時間も何も食べてない。リバプールまで2時間半以上あるのに。
席についてほっとしていると、車掌さんがきたので、チケットを見せる。
“席が違います” え~! 番号を確認してもあっている。なぜ? 列車間違えた? まさか。
車掌さん、“ここはファーストクラスではないですよ”……え?
チケットをよく見てみると、“1ST”と。予約したのは普通車。
窓口の女性が、グレードアップしてくれていたのです。
あの時確認していたら、ちゃんとお礼を言えたのに。焦ってたから……。
ファーストクラスに移動。
するとミール付きで、ビールとサンドイッチを食べることができました。
23:45、リバプール・ライムストリート駅着。タクシーでホテルに。
24:00、ホテル着。
家を出てから25時間、やっとやっと着きました。あこがれのリバプール。
・・・
英語は得意ではありませんが、必死の状態だとなんとかコミュニケーションできるものですね。
何をどうしゃべっていたのか自分でもあまり思い出せません。
思いつきで決めた旅でしたが、事前に時刻表や地図などを読み込んでいたので、大変な状況でも、次どうする? 次どうする? と考え続けられました。
一度走り出したらあとは走りながら必死に考えるしかないこと、考えるためには入念な準備がいることを実感した出来事です。
考え続けたから、最後には、ご褒美のようにファーストクラスに乗り、ビールを飲むことができました。
あきらめないでよかった。
明日は、朝からあこがれのリバプール巡り……。
貴社の課題、私たちに相談してください。
私たちは、製造業のためのソフトウェア開発会社、シナプスイノベーションです。
基幹システムの導入から、生産・物流等の見える化・自動化までワンストップで提案します。
経営層から現場層まで情報を一気通貫につなげられることが強みです。
中里 真仁(なかざと まさひと)
宝塚歌劇をこよなく愛する生産管理&経営管理コンサルタント。
神戸生まれの神戸育ち。海を眺め、山へ登ることが好き。
関心あること、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。