わたしを好きでいるために、わたしに今できること
子どものころ、「最適な睡眠時間」といえば「8時間」だと聞いていた。
そのうち「7時間がいちばん長生き」という話も出てきたりしたけれど、さいきんはもっぱら「人それぞれ」に、世の流れは落ち着いていると思う。
わたしはだいたい、日に8時間は眠る。疲れたときは9時間くらいへいきで眠る。
7時間を切ったあたりから調子がおかしい。6時間をわりこむと使い物にならない。
1日は24時間、多くの、このルールに従う人たちにとって、それは平等だ。
30時間を1日とする暦を採用する手もあるけれど、区切り方が変わるだけのこと。
手持ちの弾は増えやしない。
うち8時間を睡眠にあてる。平日はもう8時間、きっちり仕事にあてる。
残りの8時間をどう使うべきか、わたしたちはもうずっとずっと長いこと説き合っている。
8時間といわず、もっともっと働くべきである。
勉学に励むことが必要である。外国語、経済、経営、物理に化学に歴史などもカバーしなければならない。
健康増進も社会人の努めである。日に1時間くらいは有酸素運動ができるだろう。
家族をケアし、その生活を心地よく維持しなければならない。コミュニケーションも必要だ。自分1人で生きているのではない。
せまい世界にとどまっていては成長は見込めない。広くさまざまな場に顔を出すべきである。
そうはいってもぼーっとテレビ見て、ネットサーフィンして、マンガ読みたい。など。
やったほうがいいとされることは無限にあって、わたしの時間はもちろん、体力も気力も有限だ。
わたしたちが新型コロナウィルスと付き合い始めてもう1年になる。
このあいだに、わたしはたまたま家で仕事ができることになり、たまたまそれが性に合い、8時間のうちの一部が、通勤時間から自由時間になった。
自然と、8時間の使い方を見なおすことになった。なにしろ、考える時間が増えたので。
1年弱かけて右へ左へ動揺をつづけた結果、わたしは今、8時間を、わたしを好きでいるために使うようにしてみている。
仕事中、わたしったらデキのわるいやつ、と思うのは辛い。
辛いので、仕事のために必要なことは調べるし、学ぼうとする。
とはいえ、疲れると頭の回転がとんでもなくわるくなるタチなので、がむしゃらに働いて夜中まで勉強すればいいというわけにもいかない。
ゆっくりお風呂に入る時間もいるし、よく眠れるハーブティーを飲むこともあるし。
お風呂に入ったらお風呂掃除をしないといけないし、ティーカップだって使ったら洗う。
部屋が汚すぎると心はすさむ。掃除は生きるために必要なこと。
長めに生きたいので、それなりに体も動かした方がいい。
運動したあと鏡に映った自分を見ると、ちょっといいなと思うこともある。
鏡を見たときは、テンション下がるより上がるほうがいい。
でも、勉強も運動もできないくらい苦しいときは、堂々とやらない。
好きなことをして、たいへんたっぷり眠る。
好きといえば、食事を作るのが好きだ。
1週間分の買い物をして、献立を立てて、キッチンを掃除しつつ調理して、食べて、食器を洗うところまで好きだ。
手を動かしているうちに頭のなかがリセットされるのが気持ちよくて、できるだけ毎日キッチンに立つ。
とはいえそれもできないほど体が重いときは、近所のお店にお弁当をたのむ。
体を休めて、おいしいものをにこにこ食べる。
本を読むのも好きだ。
子どものころから本は、わたしの心と体をいつも楽にしてくれる友だちだった。
明日が不安なときにも本を読む。なんでもないような気がしてくる。
そんな風に毎日を過ごして、感じたこと、体に残ったもののことを、好きな人たちと話す。
自分の中にあるものを、言葉にして誰かに受けとってもらうことで、わたしは少し完成する。
わたしにとって、好きでいられるわたしになっていく。
とはいえこんなふうに生活できるのは、落ち着いてとりくめる仕事があって、支えてくれる人たちがいて、心も体もそこそこ元気だから。
もしかしたら1年後には、なんて甘かったんだろうと思うかもしれない。
思うかもしれないけれど、かもしれないだけで自分をいじめ抜くのも楽しくないので、もうしばらく、このやり方を試してみる。
・・・
冬の名残と春の走りが、一緒に食卓にのぼる季節です。
思えばこの1年で、ずいぶんと遠くに来た気がします。
まったく新しい生活を構築する2020年から、トライを評価して、改善する2021年へ、ぼちぼちと進んでおります。
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まふゆさん
“まふゆさん”の中の人。
大阪オフィスの管理部門でこつこつ働きつつ、
ときどき社内ライター兼校閲ガールを務める。
本とお酒とNHK Eテレ「きょうの料理」が好き。